交通事故を未然に防ぐための知識（停車中の車との事故）

 交通事故を未然に防ぐための知識（停車中の車との事故）

停車中の車のドアが急にあいて、激突！

このケースは、遭遇しそうな状況ですね。

歩行中であればどうにか避けることもできるかもしれませんが、自転車やオートバイの場合は「大事故」になります。

停車中の自動車でも、人身事故として自賠責保険の支払対象になるのか解説します。

結論は、「対象になります」。

自賠責保険支払の前提は、事故がその自動車の「運行によって」起こった場合に発生します。

この「運行によって」の解釈は、

1）   運行に際して事故が発生。

運行と生命、身体の侵害（事故）との間に時間的・場所的に近接している時

2）   運行と生命、身体の侵害（事故）との間に事実的な因果関係がある時

3）    運行と事故との間に相当の因果関係があるとされる時

今回の「停車中のドアの開閉」は、自動車の運転者が車外へ出ようとした行動に因果関係が認められることから、「運行によって」とみなされます。

裁判例でも、乗客を降ろすために自動車を停止して左後部のドアを開けたところ、ドアが後方から自動車の左側を通過しようとした自転車と衝突したケースにおいて責任が認められ。自賠責保険が適用される事案はあります。

その他

・荷下ろしの事故

駐停車中のトラックなどでの荷下ろし作業中、積み荷が何らかの事故の原因となった場合。

・一般道路に駐車中の車両による事故

長時間にわたり放置した自動車が、何らかの事故発生に影響を与えたと考えられる場合。

・パーキングエリアでの駐車中の事故

パーキングエリアの駐車場で駐車中、自動車内で仮眠していて起こった事故。

など、ケースによりますが「運行中によって」と肯定される場合があります。

これらのように交通事故において、専門的な解釈に基づくことが多くあるので、素人での判断は難しいものです。

万が一の事故のときは、まず、交通事故の専門家に相談してみることをおすすめします。

乗車中の時は、ドアの開閉時に後方の確認と２段階の開閉。自転車や二輪車では、停車中のドアの動向に注意して走行し、どちらの状況でも予測することを心がけましょう。