交通事故治療の豆知識（むちうち症、ムチウチは自然治癒するのか？）

交通事故治療の豆知識（むちうち症、ムチウチは自然治癒するのか？）

◯むちうち・むち打ち症とは？

むちうち・むち打ち症とは、正式名称は頚椎捻挫や頸部挫傷と診断される症状の総称となります。

交通事故で、首や背中に過度な力が加わり、筋肉・関節・靭帯・神経といった軟部組織を損傷し出現します。

むち打ち・むち打ち症の特徴

・首を動かすと痛くて首が回らなくなる

・神経の影響で手が痺れる

・腰も痛くなることがある

・頭痛、吐き気がする

むちうちでは上記のような症状が現れます。

・安静にしていても痛い時がある

寝ても、座っても、横になっていても首が痛むことがあります。

首を動かしたり、負荷がかかると症状が悪化する場合があります。

・首を動かすと痛くて首が回らない。

安静にしていると痛みがなくても、動かしたときに痛みがあれば首の筋肉・関節・靭帯・神経が損傷している可能性があるのでご注意を。家事・仕事・作業などを調整して安静にすることが大切です。

・神経の影響で手が痺れる

背骨には脊髄が通っています。背骨に外から力が加わることで神経の圧迫や損傷が起きます。

痺れは神経が関与する症状で、放置しておくと進行するリスクがあるのでご注意を。

・腰や坐骨神経の痛みが出ることがある。

むち打ち症による振り子の動きや、首の痛みで姿勢が崩れると、腰に負担がかかり、腰痛や坐骨神経の痛みを発症することがあります。関節、神経の痛みを和らげたり、姿勢を意識することで腰痛や坐骨神経の痛みも軽減します。

・吐き気、頭痛がする

首の筋肉が張ることで脳への血流が不足したり、神経を絞扼してしまうと頭痛が起きます。

他にも、自律神経の症状により頭痛が出現することもあります。

むちうち・むち打ち症の原因は何か？

・炎症による症状

交通事故による急激に加わる力により、首の筋肉・関節・靭帯・神経に炎症が生じます。

炎症とは、組織を損傷した時に生じる生理的な反応で、腫れ・熱感・赤くなる・痛みが出現します。

通常は3日程度で徐々に痛みは引いていきますが、首や腰はむやみに動かさない方が良いです。

・筋肉、関節の損傷

急激に外から加わった力で筋肉、関節が引き伸ばされ、部分的に損傷します。

痛みは炎症と同じです。基本的には3日が痛みのピークで、徐々に痛みは引きます。

・背骨、首のズレ

背骨は椎体と呼ばれる骨が連結して構成されます。

交通事故による外力で骨がずれてしまうと、脊髄が圧迫されて、脱力感や神経症状が出現します。

・首の神経の損傷

末梢神経は背骨の中を通る脊髄から分岐します。

交通事故で腕や首が引っ張られ、末梢神経が脊髄から引き抜かれる力が加わり損傷します。このことを腕神経叢の損傷と言われています。

◯むちうち・むち打ち症は自然治癒するか？

・軽症なケースは自然治癒する場合もある

むちうち、むち打ち症の症状が軽症の場合、自然治癒する可能性はあります。

・むち打ちの炎症が終わる

急激な外力で組織が損傷した時、炎症が起きると説明しました。

一般的には3日間が症状のピークで、時間の経過と共に組織が修復することで症状が改善します。

患部の安静が絶対条件なので、仕事、家事、育児を調整し安静を確保しましょう。

・損傷してしまった組織が修復される

首の筋肉、関節、靭帯が損傷した場合も炎症は起きます。

受傷から3日間が症状のピークになりますが、筋肉、関節、靭帯が完全に修復するまでには最低でも2週間要します。その間は無理に首を動かさないなど注意が必要です。

首の筋肉に熱感がある場合、氷枕で冷や酢ことも、炎症反応を早期に改善できます。

・痛めた首や腰の負担が軽減される

人間は痛みが生じると、逃避行動として姿勢を変えて庇います。

その姿勢は痛みを回避するといった点では非常に有効なのですが、首や腰の筋肉、関節に負担がかかる場合があります。むちうち、むち打ち症による痛みが改善すると姿勢も修正されるので、腰痛の痛みは軽減します。痛みが残る時は、無理のない範囲で体のストレッチやトレーニングが必要です。

・むち打ちの症状が強い場合の自然治癒は難しいケースもある

むちうち、むち打ち症の症状が強い場合は自然治癒が難しいケースもあります。

・首の骨のズレによる神経圧迫

交通事故の影響で首の背骨がずれることもあり、脊髄が圧迫されることで神経症状が出現。

ズレが軽度であれば、首のストレッチによって元に戻すことも可能ですが、骨のズレが大きく、常に神経を圧迫してしまっている場合は適切な処置が必要です。

・首の神経損傷

交通事故により腕や肘あたりの神経の損傷であれば、時間の経過と共に回復はしていきますが、末梢神の腕神経叢が脊髄から引き抜かれてしまった場合は、予後はとても悪くなります。

痺れが強く出る、肩が上がらなくなるなどが発生します。

神経の回復が見込めない場合には、神経移行術などが必要になりますが、後遺症が残るケースもあります。

・姿勢不良の形成

痛みを庇うことで、一時的に姿勢が悪くなる人がいます。症状が軽症の時は痛みが引いて姿勢も改善しますが、症状が長く続き姿勢自体が悪くなります。姿勢不良が続くと筋膜性の痛みも出るので、専門家による治療が必要です。

◯むちうち、ムチウチ症が自然治癒しない時の治療法？

・むちうちむち打ち症の時はまず医療機関の受診

まずは、むちうち、むち打ち症の症状を認めた場合は、以下の理由から医療機関の受診をおすすめします。

・正確な診断名

むちうち、むち打ち症といっても、症状の原因は様々です。そのため、原因を精査し特定するためにも、医師の診察は非常に大事です。痛みが強い場合には湿布薬や痛み止めの処方により、症状を緩和することもメリットとなります。

・むち打ち症が進行するリスクがある

むちうち、むち打ち症の症状には、神経の圧迫で症状が進行するときもあります。放っておいて重症化してからでは手遅れになる時もあります。基本的には自然経過で良いのか、医師に判断してもらうことが大切です。

症状が進行して手術に至ってしまうケースもあるので注意しましょう。

・むち打ち症の適切な治療を受けるため

むちうち、むち打ち症の症状にはいくつかの原因があり、原因に沿った適切なアプローチが必要です。

自己判断では間違った対処になるので、必ず医師の指示に従いましょう。

・むちうち、むち打ち症の治療法？

徒手療法
マッサージやストレッチなど、実際に身体に触れる施術。
お怪我をされた方の状態に沿った治療・施術ができます。

物理療法
電気療法やホットパックなどの温熱療法です。
設定した値の刺激を一定量与えることができ、治療者の技量に左右されいで治療を受けられます。

運動療法
エクササイズを中心として、機能不全を起こした筋肉、関節の使い方を再学習します。

・むち打ち症、むちうちの治療・施術を受けられる茅ヶ崎市内の通院先

むち打ち症、むちうちの治療は病院、整形外科への受診が必要です。

また、リハビリ施術は、整骨院・接骨院でも受けられます。

病院、整形外科

茅ヶ崎市内の病院、整形外科では、医師による診察や薬の処方をします。

また、レントゲン検査といった画像診断も病院、整形外科で行います。

大きな病院は、必要に応じてCTやMRIなどの精密検査にも対応できます。

また、交通事故で必要になる診断書も、医師が作成します。

整骨院・接骨院

整骨院・接骨院とは、柔道整復師という国家資格者が施術をします。

主に手技、トイレーニングを中心とした施術をします。

受付時間が遅くいまで対応し、予約できるところもあるので通院しやすく、施術をしっかりと受けられることがメリットです。

◯むち打ち症、むちうちは自然治癒する時もあるが病院、整骨院受診を忘れずに

むち打ち症、むちうちは自然治癒する時もありますが、場合により症状が強く、自然治癒が難しいケースもあります。

症状が進行し、悪化する恐れもあるため、違和感や軽い痛みでも必ず、病院の受診をおすすめします。

自分の判断で間違った対処をすると、症状が悪化してしまい、場合によっては手術に至る時もあります。

適切な診断と専門的な治療・リハビリを受けることで、後遺症を残さずに回復することがほとんどです。