交通事故治療の豆知識(追突事故後の流れ?)

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交通事故治療の豆知識(追突事故後の流れ?)

もしも追突事故が起きたとき、あなたは適切に判断して行動できますか?事故処理や保険の手続きなどは難しい対応が多く、自分の身を守るための知識も必要です。

 

◯追突事故にあった後の流れを解説

交通事故が発生した時、加害者と被害者にはそれぞれ行うことがあります。

追突事故には物損事故人身事故の2種類があり、どちらかで処理されます。

物損事故とは、物だけが壊れていて怪我をした人がいない事故のことです。
人身事故は、怪我をしたり死亡した人がいる事故のことです。

事故後の対応の違いは、物損事故の場合は保険会社への連絡後に壊れた物の修理を行う、人身事故の場合は病院で怪我の治療を行うという点です。

加害者対応

追突事故の加害者がするべき対応としては、以下の通りです。

・警察へ連絡

追突事故を起こした時、警察に報告を行うことが義務づけられています。お互いが怪我を負っていなくても、警察への報告を怠った場合は道路交通法違反となります。

・被害者と連絡先を交換

追突事故の当事者同士で、お互いの情報を交換します。

免許証や車検証を見て、以下の内容を必ず確認しましょう。

氏名、住所、年齢、電話番号、車のナンバー、強制保険、加入している任意保険会社名

・保険会社へ連絡

自分が加入している任意保険会社へ、事故発生の日時や概要について報告。追突事故が発生した日から一定期間保険会社へ連絡しなかった時、損害賠償金が支払われない場合があります。速やかに連絡しましょう。

・被害者へ謝罪

被害者に対して、誠意をもって謝罪することが大切。謝罪の方法は、訪問、電話、手紙、メールなど様々。

謝罪をするタイミングとしては、追突事故から数日~1週間以内が望ましいです。謝罪のタイミングが遅れると、被害者に誠意が伝わりにくくなります。また、補償に対する内容は一切記載しないようにしましょう。

 

被害者対応

警察へ連絡

軽微な交通事故でも、必ず警察に連絡します。警察に届け出がされていない事故は交通事故証明書の発行がされず、損害賠償金の請求ができなくなってしまう場合があります。

・加害者と連絡先を交換

運転免許証とともに、加害者の氏名・住所・電話番号・加入している保険会社を確認。加入している保険会社については、後から損害賠償のやり取りを行うために聞いておきましょう。

・保険会社へ連絡

自分が加入している任意保険会社に、事故発生の日時や場所、事故の概要について報告。加入している保険の契約内容によっては、自分が加入している保険会社から保険金を受け取ることができたり、事故後の処理方法についてアドバイスをもらえたりする時があります。

・病院を受診し、怪我の治療を開始

追突事故の場合、事故直後は自覚症状がなくても数日後痛みなどの症状が現れるケースが多くみられます。追突事故にあったら、すぐに病院を受診して検査を受け、治療を行いましょう。

 

◯追突事故にあった場合に使える保険

追突事故による怪我の治療や車の修理が必要になった時、保険を利用して治療費や修理費の負担を軽減させることができます。

利用できる保険は加害者と被害者で異なりますのでご確認ください。

被害者 自賠責保険・任意保険・労災保険・健康保険
加害者 任意保険・労災保険・健康保険

 

 

自賠責保険

自賠責保険とは、車やバイクの所有者に加入が義務付けられている保険。被害者が利用する場合は、加害者が加入している自賠責保険を利用します。

自賠責保険は、交通事故の被害者の救済を目的で、補償対象となるのは交通事故によって身体に損害を与えられた被害者。受け取ることが出来る保険金には限度が定められます。

任意保険

任意保険とは、自賠責保険のように加入する義務はありませんが、自賠責保険よりも補償できる範囲が広い保険です。自賠責保険では補償しきれなかった部分をカバーします。

 

加害者を対象とした補償

・対人賠償保険
交通事故で相手を死傷させて損害賠償責任を負ったとき、自賠責保険の限度額を上回る金額を補償。

・対物賠償保険
交通事故で他人の財産や所有物に損害を与えたことで、損害賠償責任を負った場合の補償。相手自動車の時価額を超えた分の修理費用は補償できません。

・対物超過特約
相手自動車に時価額を超える修理費用が発生した場合、時価額を超えた分の修理費用が補償。

 

被害者を対象とした補償内容

・人身傷害保険
交通事故の被害によって、被害者本人や同乗者が死傷した場合、過失の有無にかかわらず損害額が補償。

・搭乗者傷害保険
自動車に搭乗中の人が死傷した場合、死亡保険金や入院、通院の保険金が低額で補償。

・無保険車傷害特約
交通事故の被害にあい、死亡または後遺障害が残り、相手の車が不明であったり無保険で十分な補償が得られなかったりする場合に補償。

・労災保険

労災保険とは、労働者が業務中や通勤中に負傷・病気・死亡した場合に必要な保険給付が行われる制度
労災保険を使用するには、「業務災害」か「通勤災害」と認められることが必須です。

交通事故の場合、過失割合によって支給額が減らされるということはありません。自身の過失割合が大きく、加害者となったときは労災保険を使用することがいいです。

・健康保険

健康保険とは、病気や怪我の治療にかかった費用の一部を国や企業が負担する制度のことです。国や企業から負担されない分の費用は自己負担します。一般的な自己負担額の割合は3割ですが、3歳未満は2割、70歳以上は1割や2割が多いです。

事故による怪我の治療で健康保険を使用する場合、第三者行為による傷病届を健康保険組合に提出します。

健康保険を使用すると、本来であれば加害者が負担するべき治療費を、健康保険組合が立て替えて支払うことになります。後日、立て替えた分の費用を健康保険組合が加害者に請求する際に必要となる書類が、第三者行為による傷病届となります。ただし、労災保険の補償対象となった場合は、健康保険を一緒に使用できません。

 

◯追突事故後の被害者が請求できる補償

追突事故に遭った被害者は、加害者に対して損害賠償を請求します。追突事故の加害者は、民事責任を負います。
民事責任とは、被害者に与えた損害(人を負傷・死亡させたり、自動車などの物を壊す)を賠償する責任。

被害者が加害者に請求できる損害賠償の項目としては、大きく分けて以下の3つ。

積極損害

積極損害とは、追突事故によって被害者が出費を余儀なくされる損害
以下のような費用のことを指します。

治療費、入院費、通院交通費、葬儀費用、介護費用

・消極損害

消極損害とは、被害者が将来得られることが予測された利益を事故で失ったことによる損害

→休業損害
追突事故で負った怪我が原因で働くことができず、収入が減少することによる損害。家事従事者(主婦・主夫)も休業損害の請求が可能。

→逸失利益
追突事故による後遺障害が残ったために労働能力が減少あるいは喪失し、本来得られたはずの将来的な収入の減少をきたす損害。

・慰謝料

慰謝料とは、追突事故による精神的苦痛に対する賠償。追突事故で怪我をした場合に請求が認められる慰謝料は、以下の2つ。

→入通院慰謝料

→後遺障害慰謝料

入通院慰謝料は、怪我の治療を受けるために入院や通院をすれば請求が認められる慰謝料です。

一方で後遺障害慰謝料は、後遺障害等級認定を申請し、等級の認定を受けなければ請求できません。

 

◯追突事故の損害賠償は慰謝料額で左右される

慰謝料には、計算方法の異なる3つの算定基準があり、その基準によって受け取ることができる金額が大きく変わります。どのような算定基準なのか、それぞれ解説します。

3つの算定基準

・自賠責基準は、加害者が任意保険に加入しておらず、自賠責保険に慰謝料を請求する際に適用されます。被害者へ最低限の補償をするための基準で、3つの基準の中では最も低い金額の計算式。

・任意保険基準
任意保険基準は、加害者が任意保険に加入していて、任意保険会社に慰謝料を請求する際に適用されます。計算方法は各保険会社によって定められており、公開されていません。

・弁護士基準
弁護士基準は、慰謝料の請求を弁護士に依頼することで適用されます。過去の交通事故の裁判例などをもとにしていて、3つの算定基準の中では最も高い金額です。

 

慰謝料の計算方法

ご自身が受け取れる慰謝料の金額は、計算式をもとにおおよその相場を割り出せます。
今回は、計算式が明確である自賠責基準の計算方法をご紹介します。

  • 1日あたりの慰謝料額(=4,200円)×「通院期間」または「実際に通院した日数×2」
    ※「通院期間」と「実際に通院した日数×2」は、計算結果が少ない方を使う。

例として、通院期間3ヶ月、実際に通院した日数を48日と仮定して慰謝料の計算をしていきます。
①90日(通院期間)
②48×2=96(実際に通院した日数×2)

少ない方の①が計算の対象となり、
90×4,200=378,000

よって、受け取ることができる慰謝料の金額は378,000円になります。

 

◯追突事故の示談交渉で注意すること

損害賠償の請求金額は、示談交渉で確定。

示談交渉とは、交通事故の加害者が被害者に支払う損害賠償の金額を決めるために、当事者間で行われる話し合いのこと。

ほとんどの場合、被害者は加害者側の保険会社と示談交渉を行います。お互いが納得できる結果になれば示談成立となり、損害賠償が支払われます。しかし、中には示談交渉の際に当事者同士がもめてしまうケースもあります。

示談交渉をするときには、以下のポイントに注意することが大切です。

早期の段階で示談をしない

事故現場ですぐに示談をしたり、保険会社から治療費の打ち切りを打診されてこれに応じ、早期に示談を終わらせるのは注意。示談を早まると、自分が負った損害に見合った損害賠償を請求できなくなってしまう場合が多い。

一度示談成立となると、後で不服に思うことがあっても示談の内容を変更することはできません。

追突事故とむち打ち症の因果関係の証明が難しい

追突事故で発症することが多いむち打ち症は、外傷がみられる怪我ではありません。体の内部にある筋肉や靭帯などの損傷が原因です。

そのため、画像検査では損傷を確認できず、ムチウチの症状を証明することが難しく、「軽い追突事故でむちうちになるはずがない」と因果関係が疑われてしまう場合があります。

また、むち打ち症は事故直後は何も感じていなかったにも関わらず、しばらく時間が経ってから痛みがあらわれる場合が多いという特徴があり、これも因果関係が疑われる原因です。

・追突事故で被害者が「過失ゼロ」の示談交渉

追突事故は、被害者に過失が認められないケースが多いです。被害者の過失が0の場合は、示談交渉を保険会社に任せることができず、自分で行います。
理由としては、加入者に過失がないと保険会社は賠償責任を負わないため、介入すべき根拠がありません。

交渉のプロであり、知識が豊富な加害者側の保険会社を相手に、交通事故に関する知識を持っていない被害者が、妥当な金額の損害賠償を受け取れるようにすることは、難しい交渉だと思います。

示談交渉に自信がない場合は、弁護士に相談するのがいいです。

・弁護士に相談する

交通事故の対応に特化した弁護士は、交通事故の法律や保険など豊富な知識を持っているので、加害者側の保険会社と対等に交渉ができます。
示談交渉を弁護士に相談することは以下のようなメリットがあります。

→弁護士基準を適用して計算されるため、慰謝料の増額が見込める。

→本来であれば請求できる損害賠償の項目を見逃さない。

→示談に必要な書類の手配や手続きなどを代行。

示談交渉を弁護士に依頼する場合は、弁護士費用が必要となります。
ただし、加入している任意保険に弁護士特約が付帯している場合は、弁護士費用の負担を軽減することができます。弁護士特約を使用すると、加入している保険会社が弁護士費用を負担します。

 

◯追突事故後の対応のまとめ

追突事故が起きたら、警察と保険会社へ連絡することが重要です。警察や保険会社への連絡を怠ると、本来受け取れるはずの保険金が受け取れなくなってしまう場合があります。

また、怪我を負った場合は保険を使うことで治療費の自己負担を軽減できます。被害者と加害者がそれぞれ使うことができる保険は、以下の通りです。

被害者 自賠責保険・任意保険・労災保険・健康保険
加害者 任意保険・労災保険・健康保険

追突事故にあうと、突然のことに動揺してしまうかもしれませんが、落ち着いて今回の記事で解説した対応を実行することが大切になります。

 

 

 

 

 

著者 Writer

著者画像
院長:原 文四郎(はら ぶんしろう)
出身地:静岡県伊豆の国市生まれ
家族構成:妻と息子2人の4人家族
保有資格:柔道整復師・健康運動実践指導者・社会福祉主事・柔道整復師臨床実習施設指導者・日本柔整外傷協会所属・ハワイ大学人体解剖実習プログラム受講(3回)
今後の目標:世界各地を見て回り、文化に触れること
コメント:座右の銘は「時間と命は有限である。だから今何をするのか?」です。
限りある時間をどのように過ごしていくのかを大切にしています。健康で楽しい生活を送るお手伝いをします。
 

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院名:チガサキ整骨院
住所〒253-0043 神奈川県茅ヶ崎市元町9-27元町ハウス102号室
最寄:茅ヶ崎駅 北口 徒歩4分
駐車場:駐輪場あり 茅ヶ崎駅周辺コインパーキング、近隣コインパーキングをご利用ください。
                                 
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