交通事故治療の豆知識（ひき逃げにあった時）

交通事故治療の豆知識（ひき逃げにあった時）

近年ニュースで報じられる悪質な「ひき逃げ」事件。私たちの身近でも起こる可能性はあります。

万が一「ひき逃げ」事故に遭った時、怪我や車両の損害請求について、知識をつけておきましょう。

ひき逃げ事故の場合、逃亡した加害者の特定が難しく、加害者の加入する自賠責保険に賠償請求することは不可能になります。

被害者が「人身傷害保険」「無保険者傷害保険」に加入している場合は、補償の対象です。そうでない場合は、「政府補償事業」を使用することになります。

「政府補償事業」とは、加害者が「ひき逃げ事故」「泥酔運転」「自賠責保険や自賠責共済未加入」により補償が受けられない場合に、被害者を救済する仕組みです。

補償内容は、自賠責保険の基準と同様ですが、いくつか制度の違いや特徴がありますのでみてみましょう。

◎自賠責保険同様、被害者に重大な過失がある場合は、てん補額が減額される時がある。
◎親族間の事故の補償はない。
◎社会保険を使用しない場合は、社会保険を使用すれば給付される予定の金額が差し引かれる。
◎自賠責保険のような仮渡り金の制度はない。
◎自賠責保険に比べ、請求処理に時間が必要。

請求は、全国の損害保険会社及び農協窓口で受付。
その時に必要な書類は、以下のとおり。
◎自動車損害賠償保障事業への損害のてん補請求書
◎ 振込依頼書
◎ 委任状（補償事業所定の様式）
◎ 請求者本人の印鑑証明書
◎ 交通事故証明書
◎ 事故発生状況報告書
◎ 診断書
◎ 診療報酬明細書
◎ 通院交通費明細書
◎ 休業損害証明書
など、詳しくは、請求窓口で確認できます。

補償支払は、政府がてん補額を決定し、保険会社を通しててん補額が支払われます。

請求から支払いまでは3ヶ月から1年ほどかかります。