安静、ストレッチや整体で緩和されない成長痛の対処方法

『安静、ストレッチや整体で緩和されない成長痛の対処方法』

➀ 成長痛の代表例

 成長痛の代表的なものにはオスグッド・シュラッター病やシーバー病で、これらはスポーツをしている子供に多く発生する事からスポーツ障害とも言います。

成長痛を大きな括りで捉えると、スポーツをしている、していないに関わらず症状が発生するケースもあります。また痛みの発生状況としても、寝ている間に痛んだり常に痛い訳では無く週に１～２回痛い、遊んでいる時は痛まない。

と言ったようにスポーツ障害としての成長痛と大きな括りでの成長痛は全く異なるものと考える事が出来るかと思います。

今回はスポーツ障害としての成長痛（オスグッド・シュラッター病、シーバー病等）の対処法についてお伝えします。

➁ 成長痛の意外な対処法

 自宅で行える成長痛の意外な対処法とは、『水分を摂取する』事。水分を摂る事で直接的に痛みに効果が出る訳ではないですが、身体にとってはとても重要です。

成長期の子供は骨が急激に成長し、それに伴い筋肉も急激に伸ばされます。急激に伸ばされた筋肉は伸張性が乏しく、筋肉としての柔軟性が低下します。伸張性、柔軟性が低下した状態の筋肉を酷使してしまう事で成長する骨へのストレスがより加わりやすくなり、成長痛が出現しやすくなります。

ここで大事になってくるのが筋肉の水分量です。

人の身体は約６０％が水分で出来ていて、筋肉においては約８０％。その『３/４以上』が水分です。

3/4が水分で出来ている筋肉の水分量が低下しているとどうなるでしょう？

筋肉は上手く伸び縮みする事が出来ず、柔らかさも保つ事が出来なくなります。その様な状態の筋肉では骨の成長に伴って引き伸ばされてしまえば、当然痛みを発生しやすくなります。

そのために水分摂取が非常に重要となります。

どれだけ治療をしても、筋肉そのものの状態が悪いままでは治療をしてもすぐに状態が戻ってしまいます。水分だけで筋肉そのものが良くなる訳では無いですが、まずは水分摂取は非常に大切です。

➂ 意外な対処法　実践編

では実際に水分摂取をする時に、どれぐらいの量を飲めば良いか、どの様なものを飲めば良いかなどについてお伝えしていきます。今回は『量』についてお伝えします。

１日にどれぐらいの量を飲めば良いかと言いますと、これは基本的な推奨量が設定されています。

乳児：150ml/kg/日

幼児：100ml/kg/日

小学生80ml/kg/日

成人50ml/kg/日

これを１日の摂取量に分かり易く直すと

体重８kgの乳児：1200ml/日

体重15kgの幼児：1500ml/日

体重25kgの小学生：2000ml/日

体重60kgの成人3000ml/日

となります。これは１日トータルの摂取量になりますので、食事に含まれる水分や体内で自然と作られる水分を入れての総量となります。

ここで重要になってくるのが、上記の推奨量は『ケガをしていない人が摂取する基本的な推奨量』という点です。

ケガをして筋肉の状態が悪くなってしまっている場合は『ケガをしている人にとって必要な摂取量』に内容が変わりますよね？

ではここで実際にどれぐらいの量が必要になるかというと、これは正確な数字としては出ていませんが、『基本的推奨摂取量以上は確実に摂取する』事が必要という事です。

基本的推奨摂取量を満たしていない場合は、まずその量を摂るという所から、またはその量を摂れる様に積極的に水分摂取を増やしていくという事が大切です。

まずは自分自身が１日にどれだけの水分量を摂取しているのか。これを調べる所から初めてみても良いかもしれないですね。

➃ 成長痛の意外な対処法のまとめ

・成長痛は大きく括ると様々。

・スポーツ障害の成長痛に焦点を絞ってお話しました。

・対処法は水分摂取。

・人の身体は約６０％が水分である。

・筋肉は８０％が水分である。

・水分が足りない筋肉は伸びも柔らかさも足りない状態になります。

・水分補給で筋肉を良い状態へすることが第一歩。

・水分の１日の摂取量は基本的推奨摂取量がある。

・ケガをしているならば、その量は最低限摂取する。